
ソーシャル・ジェットラグ(社会的時差ボケ)の計算方法や治し方は?【休日の寝溜め・夜更かしが悪影響?】
基礎知識
土曜や日曜にしっかり眠ったはずなのに、月曜日に体が怠くて起きられないという方はおられませんか?その原因は「ソーシャル・ジェットラグ(社会的時差ボケ)」かもしれません。この言葉は、海外旅行に行った際に発生する眠気や怠さなどの時差ボケの症状が、平日と休日の睡眠の差によって日常でも発生してしまう状態を指します。
この記事では、自分のソーシャル・ジェットラグを計算する方法や、ソーシャル・ジェットラグによる悪影響、ソーシャル・ジェットラグの治し方について紹介しています。ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
目次
ソーシャル・ジェットラグ(社会的時差ボケ)とは?
2006年にドイツのティル・ロネンバーグ博士によって提唱された概念です。
平日に仕事や学校などで規則正しい生活リズムを送っていても、休日前夜に夜更かししたり、休日だからといって朝寝坊をしたりすることで、就寝時間や起床時刻をずれることにより、体内時計が乱れて「眠気が取れない」「体が怠い」といった時差ボケの症状が出てしまうことです。
日本にいるのにインドで仕事をしている状態!?

ソーシャル・ジェットラグは就寝から起床までの中央値を照らし合わせることで算出できます。例えば、平日は深夜0時に就寝し、朝6時に起床すると中央値は午前3時です。そして休日は午前2時に寝て、午前11時に起床していると中央値は午前6時半です。結果として中央値の差が3時間半となり、これがソーシャル・ジェットラグに相当します。
ソーシャル・ジェットラグの時間が3時間半である場合、インドの時差(時差3時間半)と同じ時間数になります。つまり日本にいるにもかかわらず、まるでインドで勉強や仕事をしているような状態なのです。しかも休日と平日とで異なる睡眠のリズムを一定の期間だけではなく、繰り返し行なっている人は、毎週海外で過ごしているようなものです。
ソーシャル・ジェットラグは2時間以内であれば、無理なく調整できるとされていますが、それ以上の差があると体に悪影響を及ぼすと考えられています。
ソーシャル・ジェットラグがもたらす悪影響
ソーシャル・ジェットラグの悪影響については、下記のものが考えられています。
- 眠気やパフォーマンス低下
- 記憶・学習・代謝・免疫などの精神・身体機能障害
- 気分障害や生活習慣病リスク
- 心血管系疾患
- 肥満と代謝
- 抑うつ状態
- 交代勤務などによる生活リズムの乱れによる心身症状(過眠、循環・代謝異常、発がんリスク)
(参考:三島 和夫(2016)「社会的ジェットラグがもたらす 健康リスク」)
ソーシャル・ジェットラグにより肥満リスクが上昇

ソーシャル・ジェットラグという概念を発表したティル・ロネンバーグ博士は、ソーシャル・ジェットラグとBMIの上昇に関連があることを研究で明らかにし、ソーシャル・ジェットラグが肥満の蔓延の一因である可能性を示唆しています。[注1]
また、ニュージーランドのオタゴ大学で行われた研究でも、ソーシャル・ジェットラグにより、肥満や代謝異常、糖尿病などの肥満関連疾患にかかるリスクが高まることが明らかになっています。[注2]
体が太ってしまい見た目にコンプレックスを抱えてしまうことはもちろん、肥満は様々な生活習慣病を発症させるリスクを高めます。ソーシャル・ジェットラグをできるだけ解消させ、病気の予防を目指しましょう。
ソーシャル・ジェットラグを治す方法
①決まった時間に就寝・起床する

休日だからといって、夜更かしをしないようにしましょう。また平日が仕事などで忙しく、週末に睡眠不足を補おうと「寝溜め」を行っている方も多いのではないでしょうか?そのような場合は、平日の睡眠時間を30~1時間程度増やせるように心がけることで慢性的な睡眠不足を解消できるようになります。決まった時間に就寝・起床し、時差を発生させないようにしましょう。
日光を浴びて体内時計を整えよう!
寝つきが悪く決まった時間に眠れないという方は光の力を利用することがおすすめです。実は人間の体は、太陽などの強い光を決まった時間に浴びることにより、体内時計を整えることができます。おすすめの方法は、午前中に屋外で15分-30分程度日光浴を行うことです。この方法を行うことにより、自然に眠りにつきやすくなるホルモン「メラトニン」が分泌されやすくなります。
②就寝前に明るい光を浴びない

一つ目の項目で紹介したとおり、人間の体は強い光で体内時計を整えています。就寝前にスマホやPCなどの強い光をみてしまうと、脳が日中と勘違いし、脳を活性させる「セロトニン」の分泌が活発になり、目が冴えて眠りにつきにくくなります。
寝る前の2時間前までにスマホなどの使用を終えることが推奨されていますが、どうしても難しい場合は、画面の明るさを調整するなどして、睡眠に影響が出ないように工夫しましょう。
③朝食を必ず食べる

朝食をとって臓器にも物理的に刺激を与えることにより、体に朝が来たことを知らせることができるため、体内時計が整います。また、朝食は1日のスタートのエネルギー源となりますので、午前中からしっかりと頭や体の動きをよくすることができます。
④適度に運動する

日中にほどよく運動を行うことで、興奮をつかさどる交感神経が刺激されます。そして夜になるとその反動により、リラックスし眠りにつきやすくなる副交感神経が優位に立ちやすくなるため、寝つきがよくなります。
⑤人と接する

人間の体にもともと備わっている体内時計は、地球上で規則的に刻まれている1日24時間の周期とズレがあります。実は人間の体内時計は24時間を超えて「25時間前後」を1日の周期としていることが明らかになっています。そのため、「社会的同調因子」と呼ばれる職場や学校などの社会的な規則正しい生活を利用し、人間の体内時計を24時間へと同調させ、体内時計を整えてあげることがオススメです。
そのため、家に閉じこもって誰とも話さずに過ごすのではなく、日中は積極的に人と接して規則正しく時間を過ごすことで、睡眠のリズムが整いやすくなります。
質のよい睡眠をとる方法は他にも様々あります。もっと知りたい方は、こちらの記事を読んでみてください。↓↓↓
まとめ
日本で過ごしているのに、海外に来て時差ボケを起こしているような「ソーシャル・ジェットラグ」という状況について詳しく紹介しました。
慢性的に眠気や怠さなどの症状が起こっているとしんどいですよね?またソーシャル・ジェットラグによって肥満や生活習慣病発症のリスクがあることを説明しました。
健康的に日々生活していくためにも、ぜひこの記事を参考にしていただき、ソーシャル・ジェットラグを解消させていってくださいね!
出典
[注1]Till Roenneberg , Karla V Allebrandt, Martha Merrow, Céline Vetter(2012)Social jetlag and obesity
[注2]STUDY FINDS ‘SOCIAL JETLAG’ IS ASSOCIATED WITH OBESITY-RELATED DISEASE
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