
【睡眠の質が悪いとどうなる?】質の良い睡眠にする6つの方法
いびき対策
しっかり睡眠時間を確保しているはずなのに、「朝目覚めた時にすっきり起きられない」「仕事中についウトウトしてしまう」という方はおられませんか?
それは睡眠の量ではなく、睡眠の質が悪いからかもしれません。今回は、睡眠の質が悪いとどうなってしまうのか、睡眠の質を上げるにはどのような工夫が必要なのかをご紹介します。
睡眠の質でお悩みの方は、ぜひこの記事を最後まで読んでみてくださいね。
20%以上の人が睡眠の質に満足できていない
厚生労働省の資料によると、男性平均で21.6%、女性平均で22.0%と、20%以上の方が睡眠の質に満足できていません。また、下の表を見てもらうと分かるように、20代30代の若い世代は睡眠の質が悪いと感じている方が多くなっています。60代や70代になると、睡眠の質が悪いと感じる方の割合が少なくなります。

日中に眠気を感じた方は、男性平均で32.3%、女性平均36.9%となっています。20~29歳の女性ですと、46.7%の方が日中に眠気を感じており、割合が半数近くにのぼります。

睡眠の質が悪いとどうなる?
集中力・記憶力が低下

睡眠には、記憶を整理し脳の疲れを取る役割があるため、睡眠不足により脳が動きっぱなしの状態になってしまい、集中力や記憶力が低下してしまいます。ペンシルベニア大学が行った研究によると、「6時間睡眠を2週間続けると、集中力や注意力は2日間徹夜した状態とほぼ同じレベルにまで衰える」という結果が出ています。[注1]
集中できない状態で仕事を行なった結果、思わぬミスや事故が発生してしまうかもしれません。また、睡眠時無呼吸症候群の方は、交通事故を起こす可能性が高まるというデータがあるように、注意散漫により交通事故を起こしてしまうかもしれません。命を大切に守るためにも、慢性的な睡眠不足を回避するようにしましょう。
睡眠時無呼吸症候群と交通事故の関係性についてはこちらの記事で詳しく説明しています。↓↓↓
免疫低下

成長ホルモンは睡眠中に多く分泌され、昼間の活動で傷ついた細胞を修復しています。そのため、睡眠不足や質の悪い睡眠を行っていると、成長ホルモンが十分に分泌されず、免疫細胞の減少に繋がります。
また、慢性的な睡眠不足は自律神経のバランスを乱し、免疫機能を担う白血球の働きを低下させてしまいます。
実際に、18歳~55歳の男女164名を対象に行われた調査で、睡眠時間が5時間未満の人は7時間以上の十分な睡眠をとった人と比較すると、2.5倍も風邪をひきやすくなることが分かっています。[注2]
病気発症のリスク

生活習慣病に繋がる
高血圧、糖尿病、脂質異常症、心臓疾患などの生活習慣病発症のリスクが高まることが明らかになっています。[注3][注4]
睡眠不足で生活習慣病が起こりやすくなる理由は、食欲に関するホルモンによる影響です。睡眠不足になると、食欲を抑制し満腹感をもたらす「レプチン」というホルモンが減少し、逆に食欲を増進させる「グレリン」というホルモンが増加します。そのため、必要以上に食事を行ってしまい肥満へと繋がり、結果として生活習慣病にかかるリスクが高まるのです。
うつ病へと繋がる
国立精神・神経医療研究センターの三島和夫部長、元村祐貴研究員らの研究によって、1日4時間ほどしか眠らない睡眠不足により、不安や抑うつが生じやすくなることが明らかになっています。[注5]
認知症の発症リスクが高まる
認知症の中で最も患者数が多いアルツハイマー型認知症の発症には、「アミロイドβ」というタンパク質が関係しており、アミロイドβが大脳皮質に沈着し、神経細胞が破壊されることによってアルツハイマー型認知症は発症します。
アミロイドβは睡眠中に脳から血液中に排出され、最後は肝臓で分解されていますが、睡眠不足でアミロイドβが分解されにくくなると、大脳皮質への沈着が早くなり、アルツハイマー型認知症を発症しやすくなります。将来認知症にかからないよう予防するためにも、睡眠をしっかりととるようにしましょう。
肥満になりやすくなる

睡眠不足は体の代謝を低下させるため、脂肪の燃焼効率が悪くなり、体重増加へと繋がります。また、先述した通り、食欲を抑制し満腹感をもたらす「レプチン」というホルモンが減少し、逆に食欲を増進させる「グレリン」というホルモンが増加するため、満腹感を感じにくくなり太りやすくなります。食欲が止まらなくて困っている方は、ダイエットや運動の選択肢を取る前に、一度十分な睡眠時間をとってみるといいかもしれません。
ストレスに弱くなる

人間はストレスを感じている時に、「コルチゾール(副腎皮質ホルモン)」というホルモンが分泌されます。
このホルモンは血糖値を上げるなど、体を臨戦体制にしてストレスと戦ってくれる大切なホルモンです。このホルモンは睡眠中にも分泌されており、睡眠時間の過不足によって分泌量が変動します。
慢性的に睡眠不足になると、コルチゾールの分泌が過剰になって脳の働きが低下したり、逆に睡眠中に分泌される量が少なくなるとストレスの影響を大きく受けやすくなります。そのため、しっかりと睡眠を取れている人と比べてストレスへの耐性が弱くなります。
いつもイライラしないような些細なことに怒ってしまったり、いつもよりも気分が落ち込みやすいと感じている方は、一度睡眠の状況を確認してみましょう。
そもそも質のよい睡眠とは?
質の良い睡眠については厚生労働省が定めた評価基準が存在しており、それを参考に要約したものをご紹介します。
- 体温や自律神経などのリズムが保たれて、睡眠〜覚醒のサイクルの規則性が確保され、昼夜のメリハリがはっきりしている
- 必要な睡眠量が確保され、日中に過度な眠気や意図しない居眠りが生じない
- ノンレム-レム睡眠のサイクルが規則的で安定しており、中途覚醒がない
- 朝すっきりと目覚められる
- 就寝してから入眠するまでに過度の時間を要しない
- 寝起きがすっきりしており、起床してから行動するまでが円滑である
- 睡眠で熟睡感が得られる
- 日中、過度な疲労感がなく、意欲などが得られる
レム睡眠・ノンレム睡眠とは?
レム睡眠
レム睡眠は睡眠中に左右の眼球が活発に動くため、Rapid Eye Movementの頭文字からレム睡眠と呼ばれています。レム睡眠では、脳が活発に動いており、記憶の整理や定着が行われています。寝ている間に人はよく夢を見ますが、それはレム睡眠時に起こっています。
ノンレム睡眠
ノンレム睡眠は眼球運動がないことから、ノンレム(NON-REM)睡眠といわれています。ノンレム睡眠では大脳が休息しており、脳や肉体の疲労回復になります。
理想的な睡眠周期

まず30~60分で非常に深い眠りに入るノンレム睡眠が出現します。この最初のノンレム睡眠時に成長ホルモンが分泌されます。その後徐々に眠りが浅くなり10~20分程度のレム睡眠へと移行します。
そしておよそ90分周期でノンレム睡眠とレム睡眠が交互に現れ、一晩で4~5回繰り返し、ノンレム睡眠が80%、レム睡眠が20%になっていると、非常に質のよい睡眠であるといわれています。
睡眠の質を向上させる6つの方法
①いびき治療

いびきや睡眠時無呼吸症候群のため、睡眠不足になっている方は治療を行うことで眠りやすくなります。いびき・睡眠時無呼吸症候群の治療には、CPAP・レーザー治療・マウスピース治療・ナイトレーズ ・ナステントなど様々なものがあります。
それぞれどんな治療が行われているか、どれくらいの費用がかかるのかはこちらの記事で詳しく説明していますので、ぜひ読んでみてください。↓↓↓
体内時計を整える

いつも決まった時間に起き、夜はゲームなどをして夜更かししないようにし、体のリズムを整えてあげることで、睡眠がしやすくなります。
特に体内時計を整えるには、午前中に太陽の光を浴びることがオススメです。その理由は、脳を活性化させる「セロトニン」と、自然な睡眠を促す「メラトニン」の分泌バランスが整うためです。
セロトニンとメラトニンの仕組み
セロトニンは脳内の神経伝達物質の一種です。脳の興奮を鎮めて精神を安定させ、脳を覚醒させるなどの作用があります。幸福感を高めるのに役立つことから幸せホルモンと呼ばれています。
メラトニンとは自然に眠りを誘う作用がある脳内ホルモンです。
セロトニンとメラトニンは深い関わりを持っています。
例えば、セロトニンの分泌が盛んになる昼間にはメラトニンの量が減少します。
夕方以降はセロトニンの分泌が抑制され、メラトニンの分泌が活性化します。
昼間のセロトニンの分泌量が多ければ多いほど、メラトニンの分泌量が多くなります。
その理由は、メラトニンがセロトニンから作られるためです。セロトニンが少ない方は、メラトニンの生成量が少なくなり、夜間になっても眠気を催しにくくなります。
「強い光」で分泌が活性化
セロトニンは光を浴びることにより分泌が活性化します。強烈な光であればあるほど網膜への刺激が強くなり、セロトニンが分泌されやすくなります。セロトニンの分泌を活性化させるのに必要なのは2500~3000ルクスほどの強い光がよいとされ、その光の代表的なものが太陽光です。太陽光は曇りの日でも1万ルクス程度あるとされています。一般的な家庭用蛍光灯ですと500ルクスほどですので、部屋の中にいるだけではセロトニンは活性化しにくいのです。
具体的に太陽光を浴びる方法として、午前中、遅くても正午までに屋外で15分-30分程度日光浴を行うことが理想的です。
脳が錯覚するため寝る前スマホに要注意!

先述した通り、セロトニンを活性化させるには強い光が必要です。そのため、寝る前にスマホやPCなどの強い光を見ることによって、脳が日中と勘違いをし、メラトニンの分泌量が抑制され、セロトニンが活性化します。すると、脳が覚醒するため、質の良い睡眠を取りにくくなります。
寝る前のスマホは就寝2時間前に止めることが推奨されています。どうしても触る必要がある場合は、おやすみモードなどをオンにし、画面の光源を減らし睡眠に影響が出ないように工夫しましょう。
睡眠環境を整える

光・音・香り・温度など様々なアプローチから、心が落ち着きリラックスして眠れる環境を整えてみましょう。例えば、間接照明を取り入れたり、遮光カーテンなどを使用することで、光を浴びる量が減少し眠りにつきやすくなります。
また睡眠の際に周りの音が気になる場合は、耳栓などを使用し静かな寝室を手に入れてみてもよいかもしれません。
また香りについて、近年枕などに吹きかけることで眠りにつきやすくなるアロマミストなども販売されています。睡眠におすすめの香りは、ラベンダー、ベルガモット、サンダルウッドといわれています。自分のリラックスできるお気に入りの香りを探してみましょう。
寝室の温度については、室温が20℃前後、湿度が40~60%、寝具内温度30℃前後が理想的であるとされています。[注6]
お風呂につかる

人間は深部体温が下がってきた時に入眠しやすくなります。そのため、一旦深部体温を上げておくことで、体温が下がりやすくなり、スムーズに眠りやすくなります。
そこでおすすめなのが、体の底からしっかりと温まるように湯船につかることです。体温が入眠時に下がってくるように、就寝の2時間前までに入浴を済ましておくことがオススメです。
ただし、熱いお湯での入浴は交感神経が刺激されて眠りにつきにくくなるため、注意しましょう。
就寝ギリギリにご飯を食べない

食事をすると消化活動が始まるため、体が活発に動いてしまい眠りが浅くなる可能性があります。
食べ物の消化には2~3時間かかるとされているため、夕食は睡眠する3時間前までに済ますようにしましょう。
どうしても食事が必要な場合は消化の良い食べ物を選び、内臓に負担がかからないようにしましょう。
睡眠の質が向上する食べ物について、こちらの記事で詳しく紹介していますので、ぜひ参考にしてください。↓↓↓
ストレスを解消する

ストレスが溜まっていると寝ている間に色々考えてしまい、しっかりと熟睡できなくなります。ストレスをできるだけ解消するようにしましょう。
例えば、ストレッチすると体の緊張がほぐれてストレスを少し軽減できます。
また美味しいものを食べるだけでも気分転換になります。特に甘いものを食べると血糖値の情報に伴って「インスリン」が分泌されます。インスリンは先述した幸せホルモンである「セロトニン」の合成を高めてくれるので、ストレスが軽減できます。
まとめ
なんと日本人の20%以上が睡眠の質に満足できていません。
睡眠の質が低下して慢性的な睡眠不足に陥ると、
①集中力・記憶力が低下する
②免疫力が低下する
③病気発症のリスクが上がる
④肥満になりやすい
⑤ストレスに弱くなる
という体にとってよくないことが複数起こります。
そのため、質の良い睡眠をとるには、
①いびき治療
②体内時計を整える
③睡眠環境を整える
④湯船につかる
⑤就寝前ギリギリにご飯を食べない
⑥ストレスを解消する
ことがオススメです。ぐっすり眠れて、日中もスッキリと過ごせるよう、ぜひこれらの方法を一度実践してみてくださいね!
出典
[注4]名古屋ハートセンター「ナメてませんか、「睡眠負債」国民の2割、30-40代の3人に1人は睡眠負債をためている」
[注5]国立精神・神経医療研究センター(2013)「睡眠負債は扁桃体-前帯状皮質間の機能的結合の減弱を介して,ネガティブな情動反応を惹起する」
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