疲れているといびきをかきやすいのは本当?放置すると慢性疲労につながるので要注意です!

基礎知識

寝ている時にいびきをかいていると、よく眠っているように見えます。しかし実は、睡眠中のいびきは睡眠の質の低下を示していることをご存じですか。

いびきの原因は多数ありますが、疲れもそのひとつです。

2019年に開発ベンチャー企業のセブン・ドリーマーズ・ラボラトリーズが実施した睡眠に関する実態調査では、「疲れているとき」がいびきの原因の一位(男性:45.7%、女性:50.1%)と、多くの人が「いびきの原因は身体の疲れ」と認識していることが分かりました。[1]ここでは、なぜ疲れているといびきをかくのか、またいびきの予防や対策について詳しく解説します。

なぜ疲れているといびきをかきやすいのか?

まず、睡眠中にいびきをかくのはなぜでしょう。

いびきは、睡眠中に喉周りの筋肉が緩み、さらに重力の影響を受けて気道が狭くなることで引き起こされます。気道が狭くなると空気抵抗が大きくなります。呼吸の際に粘膜が振動して音が発生します。この音がいびきと呼ばれるものになります。

では、なぜ疲れているといびきをかきやすくなるのでしょう。

体が疲れていると筋肉が通常よりも弛緩することから、気道はより狭くなります。そのため、疲れが溜まっていない時と比較していびきをかきやすくなるのです。

また、疲労時は脳が疲労を回復させるために、より多くの酸素を取り込もうとします。そのため、鼻呼吸だけでなく口呼吸もするようになります。そうすると、口呼吸で大量の空気が気道を通るため、結果的にいびきを引き起こしやすくなります。

いびきをかいて睡眠時の呼吸が乱れると、脳を含めた各臓器が酸欠状態になります。すると、眠りが浅くなり睡眠リズムが崩れていきます。結果として、身体は慢性的な疲労を感じるようになります。

いびきの予防と対策

上記から、いびきをかくと睡眠の質も落ちて慢性疲労に陥りやすいことが分かりました。ではどうやっていびきの予防・対策をすればよいのでしょうか。実は、就寝時に次のような工夫をすることにより、効果的ないびき対策ができます。

横向きで眠る

非常に簡単ないびき対策は、寝る体位を横向きにすることです。横向きの体位だと、仰向け状態と違って気道が閉塞しにくいため、いびきをかきにくくします。横向きで眠るのは、非常に手軽で有効ないびきの対処と考えられています。

いびき予防のマウスピースを装着する

市販のいびき予防マウスピースは、口呼吸を防止する効果が期待できます。また、舌根を引き上げる効果があるタイプのマウスピースもあります。舌根を引き上げて気道の広がりを良くすることで、いびきの予防に繋げます。口に装着するだけのお手軽対策なので、ぜひ試してみてはいかがでしょうか。

気道の筋力を維持

気道部分の筋力が弱いと気道が狭くなり、いびきをかきやすくなります。日頃から気道部分の筋肉を鍛えること大切です。気道が狭くならないようサポートできるような筋力を維持しましょう。気道の筋力は、舌を出す・首を伸ばすなどの運動をすることで向上します。普段から気道回りの筋肉の運動を心がけましょう。

上記の対策を行なってもいびきが改善しない場合は、睡眠中に呼吸が繰り返し止まってしまう「睡眠時無呼吸症候群」という病気の可能性もありますので、耳鼻咽喉科や内科、呼吸器科を受診しましょう。

まとめ

疲れていると、筋肉の弛緩から気道が通常よりも狭くなりいびきをかきやすくなります。また疲労回復のために、より多くの酸素を取り込もうと、鼻呼吸だけでなく口呼吸をするようになることも、いびきを引き起こしやすい原因です。疲れからいびきが増え、いびきから慢性疲労になるという負のスパイラルを防ぐためには、就寝時に横向きになる、いびき防止グッズを使用する、気道の周りの筋力を維持する運動をするとよいでしょう。最近ではいびき対策用のサプリも販売されているので、自分に合った方法でいびきの改善を目指していきましょう。

出典

[1] リサーチリサーチ / 「いびき」に関する悩み調査(20歳以上の男女対象)
https://www.lisalisa50.com/research20190322_6.html

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