歯医者さんでいびき治療!?歯並びといびきの深い関係性

いびき治療

皆さんは本格的にいびきの治療をしようと思った際に、どこの医療機関で受診しようと考えますでしょうか?耳鼻咽喉科か呼吸器科、それともいびき外来なのか。もちろん全て間違いではありません。ですが、実は歯医者さんでもいびきの治療を行っているのはご存じでしょうか?

歯科といびきとの関係性について、あんまりピンとこない方も多いかと思います。今回は、歯科で行われているいびき治療がどのようなものか詳しく説明していきます。

歯医者さんでも行えるいびき治療

実は、歯科でもいびきの治療を行っている場合があります。
嚙み合わせが悪かったり、日頃から口が開いていたり(口呼吸になっている)、顎が小さかったりすることでいびきを引き起こしている場合は、歯科での治療で改善が見られることがあります。

具体的に、歯列矯正で嚙み合わせを改善し鼻呼吸をしやすくする治療があります。他には、口腔筋機能療法(MFT)で口の周りの筋肉(口輪筋)を鍛え、口呼吸を防ぐ治療などがあります。
そして代表的な歯科でのいびき治療は「マウスピース」を使用した治療です。いびき治療用のマウスピースは「スリープスプリント」とも呼ばれます。

マウスピース治療ってどんな治療?

続いて、マウスピース治療の特徴について説明します。

マウスピース治療は、睡眠時にマウスピースを装着するだけの治療です。体を傷つけることがない安全な治療方法です。
また、口に入る大きさのため持ち運びにも便利なアイテムです。旅先などで同室の方に迷惑をかけないか心配な方にも、嬉しい治療アイテムになります。
ではここからは、マウスピース治療での使用される「上下一体型タイプのマウスピース」「上下分離型のマウスピース(ソノムデントMAS)」「YTプレート」という、3つのマウスピースの種類について紹介します。

実は、各マウスピースによって保険適用の有無があります。それぞれのマウスピースの特徴について詳しく把握していきましょう。

上下一体型タイプのマウスピース

上下一体型タイプのマウスピースは口の中に入れると、下顎が普段より若干前方に突き出した状態になり、上下の顎を固定した状態になります。すると舌根が引き上げられ、上気道の閉塞を阻害することができるため、いびきが改善する可能性があります。

上下一体型タイプのマウスピースでの治療ですが、行うことが難しい場合もあります。例えば上下一体型タイプのマウスピースは、歯を固定して使用します。自分の歯が20本未満の人や歯周病の人には、難しいタイプになります。

また下顎を前方に固定するようにするため、下顎が前方に8mm以上移動できない人や、顎関節に異常がある人には治療を行うことが困難です。

上下一体型タイプのマウスピースの治療費について、今までは保険適用外でした。しかし、2004年4月から「睡眠時無呼吸症候群」と診断された場合は保険が適用可能となりました。保険が効いた際の治療費はおおよそ1〜2万円とされています。診断が下りなければ、保険適用外となりますのでご注意ください。

上下分離型のマウスピース(ソノムデントMAS)

上下分離型のマウスピースで代表的なものを「ソノムデントMAS」といいます。ソノムデントMASは、上下歯列にフィットするプレート部分がついています。加えて、その形状により特許が取得されているウィング部で構成されたマウスピースです。

上下一体型タイプのマウスピースと同様に、下顎を前に突き出した状態を維持できるため、いびきが改善される可能性があります。

上下が分離しているソノムデントMASは様々なメリットがあります。上下が分離していることで装着時の拘束感が軽減され、咳やあくびの際も不自由しません。会話や水を飲むことが可能です。よって、マウスピースの着用に関してストレスを感じる場面が軽減します。

また、上顎無歯用としてエデンチュラスタイプ(無歯顎用)も存在します。上下一体型タイプとは違い、上顎が総入れ歯の方でも治療が可能になっています。

ただしソムノデントMASは保険適用外であり、自費診療です。治療費は約15万円となっています。

YTプレート

YTプレートは上下が完全に独立し、また下顎も固定しないマウスピースです。下顎を固定した時に感じる、顎のだるさや拘束感を感じることなく使用できます。YTプレートの効果は顎の歪みを正常な方向へ誘導するとともに、睡眠時に無意識下で呼吸改善を行います。

呼吸改善の他、嚙み合わせを改善し体の歪みも改善されると見込まれています。
このYTプレートも自由診療のため、保険適用外となります。治療費は約15万円ほどかかる可能性があります。

マウスピースのお手入れ方法

マウスピースを初めて使用する方は、どのようにマウスピースを清潔に保つべきか把握をしていない方もおられると思います。歯医者さんでマウスピースの使用方法についてレクチャーが行われる場合もありますが、マウスピースのお手入れ方法について一度きちんと勉強しておきましょう。

マウスピースは水道水で歯ブラシを使って磨きましょう。睡眠時使用したマウスピースは、使用後の朝、歯ブラシを使って流水下でマウスピースの汚れを落としていきます。硬い歯ブラシを使うとマウスピースを傷つけてしまう恐れがあります。傷がつくと汚れが溜まりやすくなるので注意しましょう。柔らかめか普通の硬さの歯ブラシでの洗浄がオススメです。

また歯磨き粉でマウスピースを洗ってはいけません。歯磨き粉の研磨剤によってマウスピースが傷ついてしまう恐れがあります。熱湯など熱を加えた場合も、変形して合わなくなる可能性があるため、注意しましょう。

「入れ歯洗浄剤」を使用すれば手入れが楽々!

もしくは入れ歯洗浄剤を使うことも効果的です。歯ブラシだけで汚れを落とすことが難しい場合は、入れ歯の洗浄剤を使用しましょう。入れ歯洗浄剤はドラッグストアなどで購入することができます。洗浄剤で洗浄を行った場合は、装着前に歯ブラシを使って一度水道水で洗ってから装着するとよいでしょう。

マウスピース治療は保険が効かない場合が多く、費用も高くなっています。高額な費用を払ったからには、マウスピースが壊れないようにきちんと維持していきましょう。

まとめ

歯医者さんでも行っているいびき治療について、以下のとおりにまとめました。

嚙み合わせが悪い、日頃から口呼吸になりがち、顎が小さいことが原因でいびきが発生している場合は、歯科での治療で改善が見られることがある

代表的な治療は「マウスピース」を使用したもので、マスピースには3タイプある。

マウスピースはそれぞれ保険適用の有無があるので、治療を始める前に必ず確認すること。

清潔に保ち長く使用できるよう、マウスピースのお手入れはしっかり行うことが大切。

いびきの原因は様々ありますので、もし上記のような理由でいびきが発生している場合は、一度歯科で受診をすることをおすすめします。

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