肥満といびきには深い因果関係が!いびき治療で行われる「ダイエット療法」とは

いびき治療

いびき治療の一つにダイエット療法というものがあります。これは、いびきの原因に肥満が考えられると診断された場合に、医師から体重を落とすように指導される治療です。
では、どうして肥満がいびきに繋がるのかはご存じでしょうか?もしくは、本当に痩せるだけでいびきが治るのでしょうか?
そのような疑問を解消すべく、今回はいびきと肥満の関係性について詳しく解説していきます。

肥満がいびきを引き起こすメカニズム

どうして肥満であるといびきが鳴ってしまうのでしょうか?それは肥満により首回りに脂肪がつき、舌が後ろに押し出されてしまうためです。また、のどの裏側にも脂肪がつき、のどの後ろ壁が前方に押し出されてしまいます。よって前後からの圧迫が発生し、呼吸の通り道が狭くなるため、いびきが発生する仕組みになります。

内臓脂肪型肥満の方は、腹部に脂肪がたまると肺の膨らみを阻害します。また気管が圧迫されることにより、空気の通り道が狭まったりすることで、いびきや睡眠時無呼吸症候群が発生する原因になります。

「BMI」を参考に自分の肥満度を確認する

肥満度を確認する数値として、BMIという数値をもとに測定することができます。BMIとはBody Mass Indexといい、肥満指数を意味します。健康診断の結果などで書かれている場合が多いため、ご存じの方も多いでしょう。身長と体重から自分の肥満度を測定できる方法となっています。

BMIの計算方法は、体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)で行われます。日本肥満学会が定めた判断基準ではBMIが18.5未満「低体重」です。18.5以上25未満の場合、「普通体重」となります。25以上30未満であると「肥満(1度)」となります。30以上35未満であると、「肥満(2度)」に分類されます。35以上40未満ですと、「肥満(3度)」となります。40以上になってしまうと「肥満(4度)」と分類されます。

肥満といびきの関連性を示す研究結果

アメリカの研究によると、いびきに関連する病気である「睡眠時無呼吸症候群」の患者さんのうち、70%が肥満であると報告されています。

1997年のフランスで行われた研究では、BMIの分類で「肥満(2度)」であった患者のうち、26%が中等症の睡眠時無呼吸症候群であり、60%が軽症であると確認されました。「肥満(4度)」の患者は、33%が中等症の睡眠時無呼吸症候群でした。そのうち、98%が軽症であると報告されています。

これら研究で、BMIが高いほど、睡眠時無呼吸症の症状が重くなること分かりました。

ダイエットを行うと本当にいびきは改善されるのか?

体重の増減によって、睡眠時無呼吸症候群の症状に影響があることが発見されています。

まず1980年後半に行われたアメリカとカナダの研究によると、睡眠時無呼吸症候群の患者さんの体重が15%減量すると、喉の空間が広がったことが報告されています。

そしてアメリカで行われた別の研究によると、体重が10%増加してしまうと、AHIの数値が32%増加したことが判明しました。AHIとは1時間当たりの無呼吸回数を意味する無呼吸指数です。数値が高ければ高いほど、睡眠時無呼吸症候群の症状が重いといえます。
しかし、体重を10%減少させた場合はAHIの値が26%も減少したのです。

したがって、体重を減少させると、いびきや睡眠時無呼吸症候群の症状が軽減されるといえます。

ダイエット療法の取り組み方

いびき治療を行う医療機関では、ダイエット療法の目標数値について、BMIが23に到達するようにと指導される場合があります。あるいは、体の体調がよかった時の体重に戻すという目的のもと、「自分が20歳の時の体重」を目標に減量を行うように指導されます。

ダイエットでいびき改善①:食生活を見直す

ダイエットを成功させるには、食事と運動の両方に気を付けることが必要でしょう。
まずは食事について、日々摂取している食事内容について振り返ってみましょう。野菜をほとんど食べない、大食漢である、油濃い食事が好きなどの栄養の偏った食生活ですと、肥満症からは逃れられません。栄養バランスのよい食事を規則正しい時間にとるように心がけましょう。

また一日のカロリーの摂取量は把握していますか?
1kgの体脂肪は約7000kcalであるとされています。よって毎日200~300(250×30日)キロカロリー減らしていけば、1ヶ月で1kg減量できる計算になります。そして一般的に一日に摂取すべきカロリーは、男性で一日1600kcal女性で1日1200kcalとされています。よってこの値を参考にし、健康的な食事を心がけましょう。

ダイエットでいびき改善②:運動の習慣をつける

次に運動について説明します。運動内容は自分の持っている力の約40~60%の強度で、長時間行うと効果的であるとされています。あまり強い運動を行うと脂肪の燃焼が少なくなります。逆に弱い運動だと消費カロリーが少なくなります。よって中程度の運動を行うようにしましょう。
具体的には毎日30分以上のウォーキングなどが適切であるとされています。そして継続して行っていくことが大事です。

自力でダイエットが難しい方は「医療ダイエット」で簡単痩せ!

いびきを治すためにダイエットを行うよう指導されたが、自分で食事量を管理したり、運動を行っていける自信がないという方はおられませんか?そんな方には、最新の医療ダイエットを活用して、食制限なし・運動なしに痩せていく方法が非常に効率的でおすすめです。医療ダイエットにはどのようなものがあるかご紹介します。

GLP-1

GLP-1とはもともと体内に存在し腸から分泌されるホルモンです。

主にインスリン分泌をコントロールする働きを持っており、食後の高血糖の上昇を抑えたり、胃の内容物をゆっくり消化して血糖値の急上昇を抑えることができます。そのため食欲を抑えて、少量食べただけで満腹感を得られるようになり、食間もお腹が好きにくくなります。 食事量を抑えて摂取カロリーが自然と減少していくため、ダイエットに繋がります。

脂肪溶解注射

脂肪を溶かす成分であるデオキシコール酸やL-カルニチン、アーティチョークなどが含まれた薬剤を、脂肪が気になる箇所にピンポイントで注入する方法です。

医療用EMS

電磁場を用いて筋肉を収縮させ、筋肉の運動量を増やして痩せる方法です。医療用のEMSですと、医師の管理のもと施術を行うため、家庭用のEMSよりも高い出力で施術を行うことができ、より効率的に痩せることができます。

ダイエット薬

脂肪を燃やす効果や糖の吸収を抑える効果のあるダイエット薬を使用して痩せる方法です。「筋肉を落としたくない」「食べ過ぎを防止したい」などお悩みや目的を医師に伝えることで、あなたの希望に合わせたダイエット薬を処方してもらえます。

ファイヤークリニック

まとめ

いかかでしたでしょうか。

肥満といびきの関係性の要点は、以下の通りになります。

  • 肥満で首回りに脂肪が蓄積
  • 舌が後方に押し出されることで呼吸の通り道が狭くなり、いびきが発生する
  • BMIが高いほど、睡眠時無呼吸症の症状が重くなる
  • 睡眠時無呼吸症候群である患者の体重が15%減量すると、いびきの軽減

現在医療機関では、様々ないびき治療を導入しています。もし肥満から生じるいびきの場合はダイエットから始めることをおすすめします。自分の食事スタイルや生活習慣を見直して、いびき対策を進めていきましょう。

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